AWSが提供するDNSサービスであるAmazon Route53の特徴とメリットについて
あらためて整理してみたいと思います。
■高可用性・高信頼性
エッジロケーション(DNSサーバがある場所)が冗長化されており、サービスとしてのSLAも設定されています。
Route53のSLAは100%です。
SLA100%を謳っているというのは「100%稼働する」という意味ではなく
「稼働率が100%を下回ったらサービス提供者側の責任なので契約に基づいてリファンドする」
というものです。サービスの信頼性が高いからこそ標榜できるものであると言えます。
■低価格
0.50 USD(ホストゾーンごと)/月 – 最初の25のホストゾーン
0.10 USD(ホストゾーンごと)/月 – それ以上のホストゾーン
Cloudnが5ゾーン1000円/月だったことを考えるとメチャクチャ安いです。
(ちなみにCloudnも今までのDNSホスティングと比較したらメチャクチャ安いんですよ…)
・利用した時点で月額費用がかかります。時間割とか日割りとかないです。
・このほかにトラフィック課金がありますが、1ゾーン10ドル超えたら超人気サービスって
というくらい安いので、こちらはあまり気にする必要ないと思います。
・ホストゾーン数があまりに多すぎるとDNSサーバたてるよりも高コストになることもある
(それでもRoute53を利用するメリットはあるが、1ゾーンあたりの収益を考慮して使うべき)
■レイテンシーベースルーティング・GeoDNS
AWSのサイトには「レイテンシーベースルーティング:エンドユーザーからのリクエストを、レイテンシーが最小の AWS リージョンにルーティングします。」「GeoDNS:エンドユーザーの地理的な場所に基づいて指定した特定のエンドポイントにエンドユーザーをルーティングします」と記載されていますが、いずれも問い合わせにかかる速度を最適化するための仕組みがあるということでご理解いただければと思います。
■他のAWSサービスとの親和性の高さ
ALIASレコードについて説明します。
ALIASレコードはELBのFQDNを登録できるレコードで、原理はCNAMEレコードと同じです。
Route53でだけ設定できる独自拡張ですが、外部から問い合わせした場合Aレコードとして動作します。
「設定できる内容はCNAMEレコード・実体はAレコード」
このことによって得られるメリットは何か。
・応答の高速化
CNAMEの場合、問い合わせ回数は2回になりますが、ALIASは内部処理で
外部にはAレコードとして応答するので、問い合わせ回数は1回になります。
・ELBのFQDNのIPは変化することがある
つまりIPアドレスを直書きできないので普通ならCNAME使うしかないわけですが
ALIASを使えばCNAMEを使わなくて済みます。
・@に設定できる
たとえばexapmle.comというゾーンのexample.com(@)に対してCNAMEは設定できません。
ですがALIASは「実体はAレコード」なので、exapmle.com→ELBのFQDNという紐付けができます。
といったところでしょうか。